分詞・動名詞・意味と形式@英文法と英文解釈

http://cgi35.plala.or.jp/report-b/yybbs/read.cgi?mode=all&list=tree&no=4015

奇策な人さんの訳を叩き台にさせていただきました。(多謝

[With you talking so loudly I cannot concentrate on my study.]

1.「あなたがあまりにうるさく話す状況では、自分の勉強に集中できない」(with を付帯状況と解釈し:、talking は動名詞で you はその意味上の主語)

2.「あまりにうるさく話すあなたのために、自分の勉強に集中できない」(with を理由と解釈:その目的語が you、talking は you を後置修飾する現在分詞)


この間の小原さんのやつ*1もそうだが、大津栄一郎的な英語観の光子に談話文法を乗せて直読直解釈すれば、普通にイメージできるっつーか、伊藤和夫・山口俊治・多田正行・佐々木高政の英文解釈法に至るはずなんだよな、必然として。

草稿〜人格の痕跡

細かい点、奇策な人さんの翻訳感覚が気になったので・・・。

奇策な人さんの「talking は動名詞で you はその意味上の主語となり」ってのに、ひっかります。

まず、動名詞の「意味上の主語」になりうる「文法上の品詞」は、基本的に「所有格」。次点で「目的格」。例外で「主格」。

共通点だけ抽出すれば「意味上の主語」の存在だと、僕は認識しています。つまり、統語的構文というよりは意味・ネクサスを重視している。


talking を「動名詞」と解釈する場合、構文の要素である「目的格」が消費されますよね。となると、you は文法上の品詞では目的格になれないはず。

他方、you-your-you なので、talking が動名詞ならば you は「主格」か「目的格」になるはず。

前置詞は目的語を一つしか取らないのに、文法書的には目的格のyouで、talkingは動名詞って解釈が正しい。「口語的」、という条件がつく例外ですけど。


で、当然、例外なので、中心は前置詞の目的語である動名詞になるーー「あなたがあまりにうるさく話す状況では、自分の勉強に集中できない」。talkingという「状況」がトピックの中心。


他方、talkingを分詞とすると、トピックの中心はyouに移り、「あまりにうるさく話すあなたのために、自分の勉強に集中できない」となる。


この意味の差の原因を「構文の違い」に還元してしまっていいんでしょうか?

というか、そもそもとして、you を中心とする(後者・分詞の)解釈は在り得るんでしょうか?

なんか、違和感があるんですよ。 with you... と切り出してるんですよね。談話文法的には、hyper-theme で一種の「導入」ですよ。しかも人称代名詞を使ってるってことは、話者は「you」の指示対象である「あなた」という「人格」を知悉していることになりませんか?


この場合、「youがうるさく話す」のは、youの性格でしょうか?今回限りの「状況」でしょうか?

youが前者のような「性格」を表すのは、トートロジーで変じゃないですか?「うるさい性格」として「知悉」してる「人格」を「敢えて」言い直している。

もちろん、「敢えて(メタなれトリックとして)」言ってるだけかも知れませんけど・・・。

とりあえず、メタなレトリックはおいといて、ベタな意味で考えるなら、talkingという「今回限りの状況」と解釈するのが英語の原理に適ってる気がするんです。

でも、それは「動名詞だから」というのではなく、youのあとに「置いてあるから」って気がするんです。だからこそ、talkingが中心になる。

「後置修飾」だと、youが中心になるってイメージというか、文の要素を考えればそうなりますよね。

でも、談話を考えれば、文の要素でない「副詞」(修飾語)こそが、最重要な情報だったりしますよね。yesterdayとかの名詞が。副詞的目的格って「意味」を持ちうるのも、get up の up みたいな adverb particle と同じ談話の流れに起因してるのではないか?

記述文法的には、文末焦点でしょうか?

やっぱ投稿するの止めた〜表層構造ー深層構造

「意味上の主語であることが分かれば、文法上の品詞は関係ない」もしくは「5文型では分析しきれない例(だし、意味が分かるからする必要もない)」という反論は個人的にブブーです。大津栄一郎マンセー

ネクサス中心ではなく、談話を中心にすえれば、規範文法的な構文解釈が可能になるってこと。youは目的語、talkingは分詞っつーか後置修飾。

動名詞の意味上の主語が文法的に主格になるのは、談話的に主格な流れだから。マスター英文法の例文みりゃ分かる。目的語になるのは、英語の流れに引っ張られるから。流れってのは談話の流れよ。直読直解よ。

そーいや、個々の品詞と、意味上の品詞(文の要素)の乖離を専門用語でなんて言うんだっけ?なんか、それぞれに名前がついてた気がするなー。なんか微妙に、ズレてる気もするけど。