英語冠詞(定冠詞theと不定冠詞a/an)をポストモダンな文脈でイメージする
定冠詞(the)と無冠詞(ゼロ冠詞)の用法が表す 唯一無二 の違い
定冠詞(the)は「唯一無二」を表すけど、無冠詞(φ)だって「唯一無二」を表す。
定冠詞(the)は認識論的。
無冠詞(φ)は存在論的。
定冠詞は極論的には総称用法的。だから、定冠詞(the)には「意味」と共に「影」が付随するけど、無冠詞に「影」はない―「無い」と言うよりは「問題になっていない」が、より正確か…―というようなイメージが英語ネイティヴの世界観。
無冠詞―不定冠詞(a)―定冠詞(the) 複数形 の使い方・用法・組み合わせ
無冠詞(φ)は形而上的で「完結未満」―不定冠詞(a)は形而下的で「完結」―複数形は形而上・形而下に跨り「完結以上」。さらに定冠詞(the)がそれぞれに係ることで、相対的に形而上方向へ移動するが、論理上は抽象度の移動は必然ではない。だが実際は少し抽象化・捨象化される。
ココが少し、たぶんだけど捻れている。定冠詞が(the)つく元の状態が 「不定冠詞(a/an)・複数形」か「無冠詞」かで、抽象度の移動方向逆なのかもしれない。
無冠詞は完全に形而上にある。そこに定冠詞がつくと、認識されてしまう、相互に。つまり、存在が確定する。否定神学的に。だからこそ、語り得ないものが語られた時点で、形而上から形而下へ堕ちている。すなわち、同定。
逆に、元の状態が有冠詞ならば、形而上か形而下なのかは、基本的に、定冠詞(the)が影響できる部分ではない。が、マスなものを語る時は形而上方向へ抽象度が動く。他の日常的な物質ならそのまま維持。
つまり、冠詞による固有名詞化というのは「私」という現存在の実存を定立させること。とイメージすればいいのか。さらに、日常的な物質ならば、対象化されているだけで、擬人化されていない。だから、抽象度が維持されるつつも、総称用法的に他の物質との境界線が同定「されてしまう」。ここに形而上への侵犯あり。
定冠詞(the)の用法:同定される前の単語
だから、定冠詞の単語がどの状態から派生したのかは知ることができない。逆算固定は不可能。そもそもする必要がない。元の状態における冠詞の有無は表層的な問題であり、その単語が表す意味が形而上的なのか形而下的なのか。つまりは、その場での差異のグラデーションのみが手がかりであり、差異が発生していることが確かであることをもってして、総称用法的な境界線を同定させなければならない。
英文解釈における名詞の意味を把握する上で大事なのはCONTRASTとSEQUENCEであり、それらを対照と照応たらしめる「境界線」を掴むことだ。それは同じ単語群との間にあるかもしれないし、違う単語群との間にあるかもしれない。
「影」を捕まえることによってでしか、ピーターに出会うことはできない、みたいな。
英文法・英語冠詞参考書のポストモダン的読解・解釈
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