返信(TEMP):複数形の固有名詞化

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Kikuさんへ
>such as 以下の説明は言葉の説明と言うより、内容の説明


う〜ん…では、その説明されている「内容」とは、具体的にどの単語の内容なんでしょうか?それとも、これらの「説明」は全て既に「内容の説明」であり、単語なんかでは書かれていない「何か」を直接語らずに間接的に炙り出しているんでしょうか?

僕はas以下はareasを補足説明していると解釈しています。such A as B で、BなどといったAで、"areas=as..." となる。で、事の発端は"opt-outs"。ここが発火点のはずです。

だから、 "opt-outs/red lines/areas/as..."の4つは同義語なんですよ。同義ってことは、主語と述語で同時に使ったら反復になるってことですよね。「お湯は熱い」みたいに。

ってことは、「敢えて」説明してる。「みんな知ってるだろうけど、とりあえず説明しとくわ〜」みたいなかんじ。で、「どれを、とりあえず説明てるの?」と僕は疑問に思っているわけです。

意味で考えれば、「opt-outs/redlines/両方」それぞれの「内容を敢えて説明している」。だとすれば、どれに係っても意味の観点からは問題ない。それなら、「文の型」から考えてみる。文の型なら「違い」が見つけられるかもしれない。

僕は、ここに定冠詞でみられるようは「照応の重なり」――「前方・後方照応は排他的でない」ってルールというか、まぁ、フツーに考えれば言葉という記号が当たり前に備えているはずの機能が見えるような気がします。

本当に、英語の全名詞が「そんな機能」を備え得るのかは知りません。が、まぁ、できなきゃ不便だろうし。前後が排他的でないのなら、言語外照応だって同様の事が言えるだろうし。そもそも照応の三方向を完全に分けることに意味があるのかも微妙って気がします。その路線で考えれば、限定詞は冠詞だけじゃないし。


Tadさんへ
>ご指摘の通りこれは非制限用法です。カンマ+〜ingが関係代名詞で置き換えられる場合は全て非制限用法だと思います。


いえ、僕の方が酷い間違いばかりしてますし…。^^;


>opt-outはたぶんEUの中で使われている特別なtermsだと思います。一般的なものではないのでより一般的なred linesという言葉で説明した


はい。EU内部でのジャーゴンって可能性は高いですね。でも、ジャーゴンであり「一般的なものではない」ってことは、「新情報」として扱われるべきってことになるのではないかと思うんですよね。つまり、修飾を引きつける力がある。

僕自身、この話題には疎いので確かなことは言えません。が、「red lines の方がより一般的」ってのは確定っぽいですね。ってことは、red lines は「旧情報」かつ「言語外照応」になり、修飾を引きつける力は弱くなる。また、言語外照応であるのならば、複数形のもつ「不定性」は弱められ、既に固有名詞と同等の「指示語」でしかない。つまりは、「無意味」であり、制限用法を使うことは無いはず。

だから、非制限用法なら、たしかにred linesも有り得ると思うんですが……。


Takaさんへ
>確かに、or redlinesもallegedly safeguarding以下もopt-outsを明確にする為の補足説明のように読めます


それを言うなら、「or redlinesにallegedly safeguarding以下が係って、連鎖的にopt-outsに係る」でもOKなんですよね。だから、「意味が通る」では理由になり得ないんですよ。

だから、Takaさんも補足しているけど、red lines の後ろに置かれたカンマの「文法上の役割」をはっきりさせれば、少しは答えに近づくだろうと踏んでるわけです。で、Tadさんの仰るように、「safeguarding... は red lines を非制限用法的に修飾する」という路線から考えれば、is のままでも「倒置」とすればいいのではないか?とか思ったりもしたわけです。

で、inのミスプリだろうって話になって。それなら「opt-outsへの制限用法的な修飾+挿入」の方が綺麗な型なんじゃないのか?って話になるわけです。

逆に、red lines が係り先とするなら、非制限用法的に追叙しないと「or や so-called の機能」と矛盾しないかって気がするんですよね。だから、制限用法的に "red lines safegurading..."とする線はボツ。


(オフトピ:でも、個人的には so called があるからといって即座に「より一般的」とは言いきれないと思うんですよね。だって、わざと新情報を so called で呼び出すレトリックかもしれないし。それなら制限用法だってアリ。というか、そもそも定冠詞では成り立つような「新情報レトリック」(前のポーのやつで言えば「共犯関係」)が不定冠詞・複数形、さらには抽象度が上がって固有名詞的ですらある状態でも、それが可能なのか。つまりは、「新情報を旧情報的に扱うレトリックは定冠詞の専売特許なのではないか?」という問題もあるし…以前のポーのやつから続いているオフトピです。^^;)


他方、テンポの問題や、既知の情報である red lines に新情報を重ねるのなら非制限用法で"red lines, which is/are safeguaring..."ってすればいいのに、何故かしてない。見た目が悪いからでしょうか?


繰り返しになるけど、「"safeguarding..."が"red lines"に係る」とするならば、「非制限用法的に red lines を修飾している」と解釈しないとおかしい。これは辞書に「safegurad以下」と同じ意味が定義として載っているくらいなのだから、更に同様の意味で二重に説明するのは変です。「お湯は熱い」と言っているようなものに思えます。

ということは、辞書のように、「敢えて説明している」はずです。ならば、「opt-outs/red lines/両方」のどれかひとつが修飾先である、と。「敢えて」であるのならば、読み手が辞書の意味を知っていようが知っていまいが関係ないですね。更に言えば、これらの単語がどんな意味を持っていようが、またはいずれの意味を持っていなくても、書き手の説明で意味はしっかりと伝えることができる。

そういった意味で、僕は「辞書で意味を調べてもしょうがない」と言いました。要は、書き手がどんな意味で使っているかって話です。で、僕は "opt-outs"だと解釈してます。

なぜなら――

1. <「, or so called red lines,」は単純な挿入句であり、「by special "opt-outs" allegedly safeguarding...」 が主節である>


とする構文解釈は、


2-1.「カンマだけで非制限用法的つまりは『red lines を換言する or』として働く」

2-2.「red lines を説明する意図とテンポ的な問題でわざわざカンマを置いた」

3.「換言のor以降の要素は『重囲接続詞?』みたいに、接続詞or以前の部分に係ることはできない、というようなルールがある」


というような解釈より、余計なルールを考慮せずに済む分、文の型が整っているからです。


また、「換言された言葉を修飾して情報密度を徐々に上げる」(=red linesに係る)というような「連鎖」の方が、「換言された言葉と換言する言葉」(=両方)を同時に修飾するパターンより論理的であると思います。で、連鎖の方は既に否定されてる。(僕の中では)

以上の2つの理由から、「red lines/両方」に係るとするより、「opt-outs」に係ると解釈しました。もちろん、so called が既出の情報を呼び出す言葉であり、普通に考えれば、red lines の方が一般的であることも考慮するべきだと思います。


さらに言えば、<「opt-outs/red lines」のどちらに"safeguarding..,"が係るかを考える意味があるのか>という問題以前に、「どちらに係っているかを判別することは、そもそも可能なのか」という問題があります。文によっては、文法で明確に分解・分類することに意味が無いような場合があるので。(たとえば、分詞構文とか動名詞・分詞の問題など。)

今回の場合、「判別可能である」と僕は考えています。まず、「opt-outs/red lines」ともに辞書に載る程度には普遍性がある単語であり、一般名詞(?)の複数形なのだから既に固有名詞的である。

ならば、僕がさっきから言っているように、これらの単語を"safeguarding..."で修飾するのは反復になってしまうと言えます。( "I like my favorite games."なんて言いませんよ。)

現に、これらの二つの単語に「定冠詞」はついていません。つまり、特別な意味は生じておらず、「完結以上」の「複数形」で、無冠詞的な「無意味」として機能しているに過ぎない「符牒」になるはずです。

しかしながら、opt-outs にはquotationsがあり、「"opt-outs"となっています。つまり、「カッコがある」ということは、「意味が辞書通りじゃない」ってわけです。さすがに、僕のように見やすさや強調目的(というか気分)で、引用符をジャーナリストが使うことはないと思います。

また、引用符には、so-calledと同じ働きもあるようですが、specialで限定された時点で既に新情報であり追加説明が必要。または、非排他的に新旧情報が重なっているとできるかもしれません。(こういった「重なり」が定冠詞以外の限定詞などで可能なのかは分かりませんが。)


逆に、"pot-outs"と so called red lines が同等の一般性(新規性)を持っているとどうなるか。文の流れは左から右。つまり、 or so called red lines は "opt-outs" を「修飾してしまっている」わけです。この時点で、「同等の一般性」がたとえあったとしても、既に同等とは言えないはずです。

ここでつけられた「差」をどう解釈するかですよね。opt-outs にはもっと修飾が必要なのか。はたまた、red lines を非制限用法で補足説明するだけで十分なのか。


個人的には、そもそも "red lines, safeguearing..." が「カンマ+〜ingが関係代名詞で置き換えられる場合」なのかがアヤシイと思っているんですよ。

僕のヘッポコ英語暦を参照しても、そーいう例が思い浮かばないんですよね。だけど、「カンマ+〜ingが関係代名詞で置き換えられる」ってのは、便利な書き方ですよね。できないと不便だし、できるっぽいですよね、論理的には。この例で、", which"を使うのは「重い」って感じですし。(なんとなくですけど

ここまでの話を総合すると、「by special "opt-outs" safeguarding ...」とするのは妥当であると考えているんですよ。


逆に、「カンマ+〜ingが関係代名詞で置き換えられる」ならば、「red lines, safeguarding..」って可能性もありますね。ただ、この場合は、旧情報を補足することになってしまうんですよね。まぁ、「補足」が必要だと書き手が思っている時点で、既に純然たる旧情報とは言えないのだから、半分は新情報的でもあるってかんじですか。

この辺は、定冠詞のにおける前方照応と後方照応が排他的でない以上、同様の限定詞においても言語外照応と後方照応は排他的ではないとしていいはず。結局、照応も情報の新旧も完全に排他的である必要は無いってだけの話ですね。

このことへの追加説明として、換言の「or」がどれくらい文を切断してしまうか知ることができればいいですね。これが分かれば、同様の型・同様の抽象度をもつパターンでの修飾先の操作ができますね。意外と、換言で使われる場合は切断されてしまうのかも。

そう考えれば、そもそも「A, or B, A'」というような型(制限用法的な修飾関係の真中に換言が挿入)がよくある型なのかってのも考えないといけないですね。


TODO:カンマの非制限用法的な使い方&換言の挿入と修飾先の関係の調査ってかんじですか。

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