歯磨き粉の研磨力を雑に調べてみた

  • モース硬度@Wikipedia
    • 硬さ1:滑石
    • 硬さ2:石膏
    • 硬さ3:方解石…炭酸カルシウム(CaCO3)
    • 硬さ4:蛍石…セメント質、フッ化カルシウム(CaF2)
    • 硬さ5:燐灰石…セメント質、象牙質、(サンスターの?)微粉末ケイ酸はこの辺らしい
    • 硬さ6:正長石…象牙質、エナメル質
    • 硬さ7:石英…エナメル質、二酸化ケイ素 (SiO2) シリカ、無水ケイ酸
    • 硬さ8:トパーズ(黄玉)
    • 硬さ9:コランダム(鋼玉)
    • 硬さ10:ダイヤモンド(金剛石)

もちろん、「研磨」なのだから、「摩擦」がどれだけ起こるかが問題。つまり、ガシガシと強く横磨き擦れば、硬度の低い研磨剤でも威力絶大。また、モース硬度は相対値らしいので、同じ硬度でも「同じ硬さ」とは限らないらしい。

そう考えると、歯茎から歯先へ歯ブラシをロールさせる磨き方が、なぜ良く磨けるのか分かる。一般に、静止摩擦係数は動摩擦係数よりデカイ。つまり、ブラシの弾性力を利用してウ〜〜〜ン、シャコ!っと動く瞬間にモロ削れるわけっぽい。

放っておくと、歯茎は「1ミリ/年」も下がることもあるらしいから、あまりロールロールさせるのはよろしくないのかもしれない。静止摩擦で一番摩擦が強くなるであろう歯の根元が、象牙質だったら削れ過ぎることになるかもしれない。

そうなると、歯茎と歯の間に45度にあてて小刻みにあまり強く押し過ぎないようにだけどやさし過ぎないようにwww、磨けってことだね。動き続けていれば動摩擦だし。

個人的に、IPMP(イソプロピルメチルフェノール)とかで殺菌するのはどうなの?って気もする。抗菌剤も、安易に少量を使いつづけると耐性ついちゃったりしないの?とか気になる。

キシリトール、フッ素、デキストラナーゼ(この酵素は活性を維持してんのか?という疑問もあるけど……。)あたりかなぁ、それなりに効果がありそうなのは。

歯みがき剤の研磨性については、国際規格で「RDA法*による研磨力が250以下」と設定されています。これは、「歯の表面に磨耗が生じない範囲で機能効果を高める」という見地から定められているもので、現在市販されている歯みがき剤は、この国際規格を十分に満たしています。なお、エナメル質の磨耗試験の一例をご紹介すると、炭酸カルシウムを研磨材とする市販の歯みがき剤を50年間使用しても、実際上は問題ない範囲であることが観察されています。

* RDA法‥Radioactive Dentine Abrasion:象牙質の研磨性の試験
http://www3.kao.co.jp/qa/toothpaste_04_03.html

さり気なく、ケイ素系ではなく、カルシウム系の研磨剤が前提になっているのが笑える。やっぱ、ケイ素系は硬度が高過ぎなのかな?ただ、カルシムとフッ素だかの相性が悪いらしい。なんか、反応しちまうらしい。だから、フッ素を反応し難い形にして配合したりして工夫しているらしい。

http://www.j-tokkyo.com/2003/A61K/JP2003-226627.shtml
http://www.j-tokkyo.com/2003/A61K/JP2003-026556.shtml

さて、国際規格を早速ググルと……

研磨材の粗さを示す単位としてRDA値・REA値がある.

●RDA:Relative Dentin Abrasion (相対的象牙質損耗値)
●REA:Relative Enamel Abrasion (相対的エナメル損耗値)

この値が小さいということは、それだけ歯質に与えるダメージも少ないということである.故に、荒研磨材から仕上げ研磨材に移るにつれ、それらの値は小さくなるといえる.
近年、分解性の研磨材を配合した研磨がKerr社より販売されている.この商品は、RDA値、REA値は一般的な商品と比較して低いものの(低い=歯質損傷が少ない)にもかかわらず、外来性沈着物の除去には優れている.
http://www.oralstudio.net/clinic/begin/beg005_003.php

ほほぅ。kerr社を捜査……日本の代理店では歯磨き粉は取り扱ってないのか。っつーか、研磨の専門会社だな、ここは。

NATUREやPUBMEDでも情報が沸いてそうなkerr社さんだが、通販ページで件の物質を発見――

CLEANICDENT from KerrHawe is the only toothpaste on the market that derives from a clinically proven prophylaxis paste (Cleanic), with a relative dentine abrasion of just 40rda. This represents extremely low abrasion when compared to other stain removal toothpastes, most of which exhibit at least 25 per cent or more abrasion compared to Cleanicdent.

This fluoride toothpaste has the ability to clean teeth and then polish them to an extremely high lustre, thus preventing early accumulation of plaque. The “Perlite” particles fragment throughout brushing and, within 10 seconds of use, modify themselves from a cleaning paste to a fine polishing paste. Independent clinical studies have proved that this paste cleans better and exhibits lower abrasion than other toothpastes.

Each eight-pack dispenser of Cleanicdent is supplied complete with a display stand and patient leaflets. Also available on request is a reception poster free of charge.

Cleanicdent can only be bought in dental practices; it is not available from high street stores. CTS is the exclusive supplier.
http://www.smilewithstyle.co.uk/prodddetail.php?prod=cleanicdent&cat=4

250がラインなのに、RDA40とか…どーんだけぇ〜!!しかも、10秒で研磨剤から光沢剤に変化するんですか!スゴッ!!!挙句の果てに、ツルピカ過ぎてプラークちゃんもスッテンコロリンでaccumulateってかバイオフィルムを作らんぜ!とまで宣わってるよ、コイツ。打倒、SuperSmileっすか?w

パーライト(perlite)、日本語で真珠岩(しんじゅがん)。がトリック物質か。組成はSiO2がメイン。ケイ素系なのに柔らかい構造特性なの。

研磨力が低いのに、清掃力があるってことは、木炭みたいな空洞との接触面積が増えるとか、そーいうトリックがありそう。