ネイケフイケキロロ

Is there liberty Gravity Do memories remain Did you find freedom or did you break free


夢の中でいっぱい泣きました。「クラインとワーグナ」と「医龍」と「デミアン」みたいな雰囲気でした。鍵でドアを開けて、カバンだけでも取り返したかった。


僕にとっての自由の鍵。それを捨てれば逃れられる。だけど、それを捨てることで手に入る自由に何の意味があるんだろう。どうせもう、手遅れでした。そして全てを失いました。だからこそ、やっと、泣くことが許されてしまいました。僕はずっと泣いていました。


足元には、空気一つ含まれていない分厚い氷。朝の水溜りに張った氷が砕かれるように、綺麗にへこみ、ひび割れてしまいました。君は死んでしまいました。生きているはずなのに、死んでしまいました。僕の所為ではありませんでした。だけど、僕の責任でした。


死んだことにされてしまった君。僕は知ってます。みんなも見ていたはずです。君が薄目を開けて、無表情に、無邪気な瞳が笑って輝いていたことを。僕は何も言うことが許されず、僕は失意のあまり言葉を失い、僕の意識は、まだ失ってはいないという認識に追いつかず、僕の知らぬ間に、死亡登録がなされました。


雪は降り積もっていました。風は吹いていませんでした。足元に広がる氷は、とても澄んで、青く綺麗で、それでも、冷たくなんてありませんでした。僕の両手は何も感じませんでした。何も聞こえませんでした。ただ、雪かきをしているダレカが、僕の側にいました。


寒くはありませんでした。僕は、この氷塊が誰なのか知っています。誰なのか分かってしまいました。氷のようで氷よりも凍てついている冷たさが教えてくれる、僕の知っている暖かさが持っていた熱容量の大きさを。そしてこれが、熱力学第二法則の辿り着く最果て。


ダレカは、淡々と雪を処理し続け。僕は一人、泣き続けていました。ダレカは、僕のためにいてくれたわけではありません。それでも、僕は、ダレカがいてくれたからこそ、泣くことができました。僕の泣く声だけが、空気を震わせて間接的に、そして僕の体の振動として直接、僕にだけ聞こえ続けました。

Empty moments, hope is stolen One more love that might have been And the soul mates scatter Another candle on the water A million hearts Wishing upon falling stars