「絶対に治る!!」の二面性

なんかアホな年齢不祥医師(ちくしょー名前なんだっけな?)がでてくるTV番組(追記:「主治医が見つかる診療所」だ!)を久しぶりにまた見た。相変わらずの電波ップリに大慶至極。*1今回は誤診についての内容。「どうして誤診は起こるのか?」という質問に「原因がわからない病気はいっぱいある(ガンとか)」と問題をすり替えてきましたよ、今回は!!!ガンの原因がわからない診断不能ではなく、「どうして大病を風邪と診断してしまうか?」という問題について語ってほしかったんですけどね!!!これでは、「医者は信用できない」と視聴者に思われても仕方ないですよ!!

今回は金という医者が誤診にたいする患者の誤診を分かりやすく説明していた。他にも消える魔球解説の医者(新見正則先生か?)も良心的でまともな瘍医だった。特に金と例の変人医者の思想の差が興味深かった。変人は「肉は食べる必要が無い?」という問いに「狩猟民族ウンヌン、DNAに刻まれているウンヌン、味噌汁飲んでりゃ必須アミノ酸は摂取できるウンヌン」を理由に「食べる必要が無い」と答えた。他の医者も多くは「食べる必要が無い」だった。

だが、金先生は違った。もちろん、栄養面において肉を食べる必要が無いというのは間違っていない。いや、断然に正しい。しかし、金先生は言った「肉を食べる楽しみや文化としての側面を忘れてはいけない」、と。

どうやら金という医者には良医が多いようだ。個人的な話だが、僕の恩師にも金という医者がいる。漢方系の治療だったのでどこまで薬が効いたのかは定かではない。少なくとも悪化はしていなかった。しかし、先生がかけてくれた優しい言葉、文字通りに取ればシラケルほど、それどころか憎悪の対象になることもあるであろう、陳腐な…されど真実の励ましに、どれだけ救われたことか!当たり前の優しい言葉を当たり前に患者に―たとえどんな難病に侵され精神的に参っていてニヒルな状態であったとしても!!―届けることができる屈託ない笑顔と剥き出しの誠意。これこそ、僕が目指す倫理の体現である。*2

さて、話が反れたが、金先生と変人迷医の思想の違い。これってポストモダンと要素還元主義、つまりは一元論と二元論、そして普遍主義と構造主義の違いに辿り着く。そう、変人迷医の意見は正しいが、それが行きつく所はベーコン主義であり、機械論――つまりは「患者の病気を機械の故障とみなし治療する」ことに繋がるのだ。

医者は患者の心を診ない、とTVで槍玉に挙げられる。では、なぜ金先生の意見は絶賛されずに変人迷医の意見に盲目的に賛同するんだ、ゲスト芸能人?!特にお前だ、マルシア!!!「医者に『〜である』と断定口調で診断して欲しい。そうでないと不安である」だと?良く医者は励ましで「絶対に治りますよ」と言う。僕の金先生もそうだ。されど、その真意は「僕の言う通りに擦れば100%治りますよ!」ではなく「いっしょに病気と戦って絶対に勝ってみせましょう!」という決意でありエールなのである。そこを勘違いするなよ、マルシア

結局、食べたい物をバランス良く食べるのが健康の秘訣なんだよ。そうさ、当たり前の結論なんだよ。肉を食わないで必須アミノ酸を摂取していれば良い、という「知は力なり」のオッサンは勝手に朝食抜いて、サプリだけで全栄養素摂取して生きてろってんだ!あんたなら日原のオッサンを超えられるに違いないだろうさ。125歳現役迷医の降臨を心待ちにしております。

*1:僕の記憶が正しければ、自分が大丈夫だから朝食輪食べる必要が無い、と言いきった変人。

*2:精神的に参っている人に「がんばれ」は禁句である、とよく言う。が、「ガンバレと言う事が出来る」人こそが真の名医なんだよ!面白い漫画を書くのもプロだが、ツマラン漫画を読ませる力があるのも、またプロなんだよ。