トーマの心臓
- 作者: 萩尾望都
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1989/11
- メディア: 単行本
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フラッシュバック――この世で最悪の呪詛だ。
「実は、図書室のラブレターはユーリがサイフリートに書いたものではないか?」という予想を立てながら読んだんだけど、半分アタリってとこだったかな?
「あと、イエスがなぜユダを裏切らせたのか?」というテーマがアリキタリってことは分かっているけど、『ジューダス』にインスパイアされた」と書いて「パクッた」と読む「呉ィ爺への反論エントリー」が、インスパイア以上に『トーマの心臓』のパクリっぽくなってしまって悔しい気分www ちくしょ、水無月すう…きさま読んでいるな?!(笑
ただ、「悪魔を崇拝する」ところまで突きぬけなかったのが『デミアン』との違いか?むしろ、構造的には『車輪の下』や『少女革命ウテナ』に近い気がする。『明るい世界』に臨んでいたのに、望むことしかできなかった――いや、望むことすら許されなかった、太陽の翼なき堕天使。
にしても、悪魔の部分の描写は凄かった。類似作品では「偏見」・「性生活」・「恋愛」などが悪魔のポジションだったが、ここまで「残酷」なものを人の弱さと絡めて提示してくるとは……。
まだ、書きたいことあるけど、今日はここまでかな。補完するよ。
私の愛の幻像はそういうふうだった。アプラクサスもそういうふうだった。
……動物的に暗い衝動ではなかった。
それは、また、ベアトリーチェの姿にささげたような、経験に精神化された崇拝でもなかった。
愛はその両者であり、さらに以上であった。(歓喜と戦慄、天使と悪魔、男と女、人と獣、最高の善と極悪)