Romanticism in the Google-State Society

  • 2007年04月21日 sharia そもそもこういう指摘自体がおかしい。「世界中の情報をすべて整理し尽くす」は結構現実的なロマンチック。粒子加速器はかなり泥臭い。遺伝子解析も泥臭い。普通は泥臭いと思うが・・・。
  • 2007年04月21日 Lhankor_Mhy 参考になる, 科学 「しらみつぶし」対「エレガント」
  • 2007年04月21日 mind ココロザシ|悩み, 観察感知, 観察抽象|逆推, `Semantics(モデル), 9.network ――普通の人生においても、地に着いた環境観察、美しい理論モデルへの志と、適用実用性は、3つとも必要。

茂木センセーはそーいう『近代的な見方』は終わったって言いたいんじゃないの?もちろん、mindさんの言うように「バランスが大事」ということも言っているのかもしれない。だけど、ここでいう「ロマンチック」ってのは、ルネッサンス的なヒューマニズムじゃ駄目だってことなんじゃないの?

我々科学者の「ロマンティックな研究態度」が脅(おびや)かされているんだ、いやもう敗れてしまったのではないか。「トンボのように飛ぶ」にはどうしたらいいかを科学者は未だに解明できないが、遥か昔に飛行機を発明し、人類は飛行機会を得た。それと同じことが今「知性の研究」の分野で起きつつあるんだ。お前たち、ロマンティックな研究をいくらやっていても「グーグル的なもの」に負けるぞ、時代はもう変わったんじゃないのか。
http://www.shinchosha.co.jp/foresight/web_kikaku/u127.html

日本のロボットは「アトム」に夢を見た子供達が科学者になったからだ。と、よく聞く。だけど、そんな時代は終わったんだ。「人型」だろうが「猫型」だろうが、「人間」をその理想としての完成形とするような「ロマンチック」な見方。「人間」が最高で、「人間でないもの」は人間に劣っているという二元論の限界。


人間と同じだから人間の出きる事ができる人工知能――。


そんな傲慢でグロテスクなものではなく、


人間とは違うが人間が出きない事ができる新たな知能――。


それこそが、「ネクスト」なんじゃないの?と、日本のティリング・ハーストさんは仰っているのではないかね?


だから、

例えに沿って言うなら、グーグル=飛行機=ロマンティックでない、トンボの飛行原理が分からず苦闘する科学者=ロマンティック、ということらしい。
2007-04-21 - 温暖化メモ

これは、どーしようもないくらいの『誤読』だと思うんだな。「ロマンティック」という言葉の「印象」に引きずられているのは、あなたではないのですか?印象論なんていう近代批評なんて、茂木先生は既に通過済みぃぃぃッ!

追記:引用先のsatohhideさん曰く、「梅田さんへの批判」ということなので、この引用も『誤読』です。

Google とロマンティックな研究が対峙しているという考え方は私にとっても新鮮でしたが、物事の原理を理論的に美しく解明する「豊穣な知」が、Google 的なものによって無くなってしまうのかどうかを決めるのは、結局利用する側の人間の問題なのではないのかと思います。
グーグルのが構築する「知の基盤」 - Slowpoke

「グーグル的なもの」に負けるぞ、てどういう意味なんだろう? この二つは何の関係もない。物の原理を解明することと「グーグル的なこと」と無関係に決まっている。関係しているとしたら、それはたった一つしかない。

トンボの研究はカネにならない、飛行機の研究はカネなる
2007-04-21 - 温暖化メモ

茂木氏のいわんとするところは分かるけど、それって滅茶苦茶ロマンチックなこと言っているなあ、と半ば唖然としたと言うのが正直なところ。科学だって、実はいかに投資していかにツールを手に入れるかの勝負であることも多い。「紙と鉛筆」的な(その代わりコンピューターか)美学がまだ生き残っているんなら、コンピュータ・サイエンスって、実はとんでもなくロマンチックな世界だったんだなあ。でも、ビッグ・サイエンスにはビッグ・サイエンスの浪漫もあるわけだし。
科学と浪漫(1) - golgo139:用件を聞こう……。

「大きい事は良い事だ」という、「アメリカ的」で「近代的」なロマン主義を疑え――と言いたいんだよ、茂木先生は。

自由の旗手である人類は、その特権的地位を飛行機に奪われた事に気づいていない。リベラリズムの崖ップチで、いつのまにかナショナリズム的な谷底に転落してる危険性――。


以前、「人権を動物にも認めよう」というニュースをBBCで見た事がある。閉鎖された動物園の動物達の「生存権」を勝ち取るために裁判を起こすとか、そーいう話しだった気がする。

動物に「人権」を与える――。この概念はマルチカルチュラリズムってやつが背景にあるんでしょ?「人権」なんていうと人が偉くて、動物もその上位階層へ引き上げて「あげよう」なんて意志が隠蔽されている、なんて穿った見方をする人なんていないだろうけど……。


そう、気づいてみれば、リベラリズムの専売特許であったはずの『自由』は、ナショナリズムのバックボーンであるマルチカルチュラリズムなんかに奪われちまった。だからお前等、いい加減、気づけよ!特許はもう切れてるんだぜ!って言ってるんでしょ?

要は、フラットな社会ってやつが来ちゃったんよ。梅田さんが言ってたか、クルーグマンが言ってたか忘れたけどさ。全てが等価の社会。社会主義とか、そーいうベクトルじゃなくて、『自由』から出てきた自由主義の末路。

他人に迷惑をかけない限り保証される自由。その先にある、有限空間内での異質なモノたちの共存。


茂木先生の立つ地平って、そんな場所なんじゃないの?神様を地獄に堕としたのはいいけど、可愛そうだから人間も地獄へ行こうよって言ってるんじゃないの?というのは建前で、茂木先生、実は地獄少女に萌え萌えなんだそうです。


そりぁ〜確かに、金になるんだろうさ。ロマンチックで無いやりかたはね。人間様なんていうチンケな自尊心は捨てる事。それが現実的な選択。そうやって金儲けようぜ、投資以上のリターンをガッポリ稼ごうぜってわけ。


でも、だからこそ、「空を飛ぶ」という「ロマン」が実現した事を忘れている。


カミオカンデ*1が象徴するような「豊穣な知」へのアプローチは否定しない。地球温暖化をくいとめることは大事だ。だけど、その金でエイズ対策した方が効率がいいんじゃないの?って言ってるだけでしょ、茂木先生は。


これって、ビジネスマンが大好きな『20:80の法則』でしょ?茂木先生の話は、ロマンチックじゃないけどロマンのある話だと僕は思うね。これをガメツイとしか見れない世界観の方がよっぽどロマンがないね。


追記2:


なんか、僕と同じスキーマを持ってないと理解不能な―例えるならば、みんながウォーリーを捜してる中、僕だけウォーリーが訪れた町の人々を一人で探している、みたいな―自己満足全開の独り言ですまない、ソルジャー・ブルー……。僕の思念波は強過ぎるんだ。

つまり、「もっと『自由』であれ!」ってことだよね。科学というものはエレガントでスマートな方法でなければならない、とか――そーいう、先を見限る「べき思考」はやめよう。その「科学」という存在がロマンティクでも、泥臭くても……イノセントな存在として、ありのまま受け取ろう。先験的原因などない「結果」としての必然を―たとえそれが、どんな形容をうけるものであったとしても―100%無条件に受け入れる懐の広さ。そーいったポジティブな姿勢、結果が伴わなくたって、過程が徒労に終わったとしても、決して燃え尽きる事を知らない情熱を持ち続けることができるような強靭さ。そんな、ダイヤモンドより壊れない柔軟な意志。そういったものが、ツマラナイ作業でさえも楽しくなってしまう原動力。そして、決して止まらなければ、いつか真理に辿り着く。と、茂木先生は暗に言っているに違いない――と、僕のリトルピープルは囁くのだよ!(笑*2


こ〜んな超ポジティブな言説だから、はてな界に燦然と君臨する水天宮寵児こと梅田望夫の琴線にビビットビットだったわけだろーさね。

茂木関連:茂木は模擬なのか? - Nash Bridgesの始末書

*1:梅田さんのブログのコメントを読むと、「豊穣な知」としてカミオカンデを取り上げたのは、ちょっと微妙かも。たしかに、金をバカスカ使ったブルドーザー的な成果とも言えると思う。でも、カミオカンデの≪役に立たなさ≫ってのが茂木さんが言うような「ロマンティック」に繋がっている気がするんだ。

*2:引用元のPODCASTを聴かないとなぁ〜。僕の≪小さい人≫が代わりに聴いてくれないかのぅ......